空調設備・ダクトは省エネに大きく関係する?
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空調設備、ダクト構造の見直しで省エネ効果は発揮されるのか?
住宅や飲食店、ビルに商業施設など、建物の中で人が過ごすのなら、空調管理は常に意識しておく必要があります。特にこの時期は、暖房器具で建物内に熱を溜め込んでしまうため、過ごしやすい環境を整えておきたいものです。しかし暖房器具を使用すると、熱エネルギーを得るために大きく電力を消費します。空間が広ければ広いほど、人の出入りが多ければ多いほど、熱エネルギーが必要になります。では、効率よく熱エネルギーを蓄えておくことができないのでしょうか。もしかすると、空調設備やダクトの構造を見直すことで、無駄なエネルギーを使わない、省エネに一歩近づけるかもしれません。
省エネと空調設備・ダクトの関係
最近の住宅は高気密、高断熱が主流となっています。そのため従来に比べれば暖房器具の設定温度をそれほど高くしなくとも、ある程度の暖かさを保つことは可能です。
もちろん一般の住宅ではない商業施設やビルとなると、人の出入りも多くなるためいかに高気密・高断熱であってもなかなか一定の温度を保つことは難しくなります。しかし人の出入りが多くても、そこにいる人数が増えれば自然と人の熱気で温度は上昇します。そして温度が上昇したにもかかわらず、暖房の温度が変わらなければ、そこにいる人の多くは不快感を覚えるうえ、コストも増大してしまいます。
そこで重要となるのが空調設備です。空調設備によってうまく室内の温度コントロールができれば、暖房器具の温度設定を高くする必要がありません。空調は照明やほかの電力に比べ消費電力が高いため、仮に10%削減できただけでも、省エネ効果はかなり高いものとなります。そういった意味でダクトの清掃点検をしっかりと行い、空調設備を適切に作動させることは、建物の省エネに大きく影響を与えるといえます。
空調負荷を軽減することで省エネ効果はさらに高まる
空調設備が省エネに大きな影響を与えることはご理解いただけたと思います。次にさらなる効果を発揮させるため、空調負荷を軽減させることについてご説明します。
そもそも空調負荷とは、室内の温度、湿度を快適に保つため、過剰な熱は取り除き、熱が不足していればそれを補うための熱量のことです。この熱量を減少させることが省エネにつながります。空調負荷は冷房負荷と暖房負荷の2種類がありますが、今回は暖房負荷についてご説明します。
ここまでで簡単に概算を出してみると、
100万円(工事費)+12~30万円(エアコン代)で112~130万円
冬場は基本的に室外よりも室内のほうが高温になるため、熱は室内から室外へと移動します。そして熱が室外に出たままでは、室内の温度が下がってしまうため、下がった分だけ熱を補う必要があります。これが暖房負荷です。
空気中に含まれる熱に水分が多ければ人は暑いと感じるため、加湿器を使うことである程度の温度を保つことはできます。しかし広い建物になればなるほど、空調設備で全体の熱量を一定にしないと、熱い場所と寒い場所が生まれてしまうことになります。
そうなれば寒い場所を暖めるため、さらに暖房器具の温度を上げなければならず、省エネを実現できなくなります。そういった意味でも空調設備、ひいてはダクトの見直し、点検をしっかりと行い、空調設備を適切に作動させることが、省エネにとって非常に重要なポイントになるのです。