コラム

ダクトの「はぜ」とは?種類別の特徴や役割、気密性を高める重要性を解説

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本記事では、板金加工やダクト製作において欠かせない「はぜ」の基礎知識や種類、それぞれのメリット・デメリットについて解説しています。

「ダクトの継ぎ目から空気が漏れている気がする」「ボタンパンチやピッツバーグなど、はぜの種類が多くて違いがわからない」といった悩みを抱えている設備担当者の方や、建築関係の方向けに、専門的な視点から詳しく紹介します。

この記事で分かること
  • ダクトにおける「はぜ」の定義と基本的な役割
  • 「はぜ」がダクトの気密性や安全性に与える影響
  • 「ボタンパンチスナップはぜ」や「ピッツバーグはぜ」などの具体的な種類と特徴
  • 用途に合わせた最適な「はぜ」の選び方

この記事を読めば、ダクトの構造への理解が深まり、設置環境や用途に応じた適切なダクト選定やメンテナンス判断ができるようになります。

ダクトの「はぜ(接合部)」とは?気密性と強度を支える不可欠なパーツ

普段私たちが目にするダクトは、大きな1枚の鉄板で作られているわけではありません。薄い金属板を折り曲げ、つなぎ合わせることで箱型や筒型の形状を作っています。

板金加工の分野において、板同士を接続するために設ける「折り曲げ部分」のことを「はぜ(継ぎ手)」と呼びます。

ダクトは空気の通り道であるため、接合部には高い気密性が求められます。単に板を重ねるだけでは隙間が生じてしまいますが、複雑に折り込んで「はぜ」を作ることで、溶接を行わなくても強固に、そして密閉性を保って接続することが可能になります。

ダクト製作における「はぜ」の工程

一般的な角ダクトの場合、L字型に成形された2つのパーツを組み合わせて作られます。

この際に一方の端を凹型、もう一方を凸型に加工し、それらを噛み合わせることで1本のダクトが完成します。この噛み合わせの技法こそが「はぜ」の本質です。

なぜダクトに「はぜ」が必要なのか?3つの重要な役割

鉄板同士を接続する方法には溶接などもありますが、なぜ多くのダクトで「はぜ」が採用されているのでしょうか。そこには3つの大きな理由があります。

1. 接合部分の強度を高める

板金は単なる平面の状態では強度が不足しがちですが、折り曲げ加工(はぜ加工)を施すことでその部分が梁のような役割を果たし、ダクト全体の剛性が高まります。

これにより、内部を通る風圧によるバタつきや変形を抑えられます。

2. 空気の漏洩を防ぐ(気密性の確保)

ダクトの役割は、空調機で作った空気を目的地までロスなく届けることです。接合部に隙間があると、そこから空気が漏れて空調効率が著しく低下します。

「はぜ」は金属同士を複雑に噛み合わせる構造のため、物理的に隙間を塞ぎ、高い気密性を維持するのに役立ちます。

3. 油漏れや火災のリスクを軽減する

特に厨房ダクト(排気ダクト)において、「はぜ」の精度は安全面に直結します。

調理場からの排気には油分が含まれており、ダクト内に蓄積します。ダクトの接合部に隙間があると、液化した油が外部に漏れ出し、天井裏を汚したり、最悪の場合は火災の火種になったりする危険も。

精度の高い「はぜ」を用いることで、こうした液漏れリスクを最小限に抑えられるのです。

ダクトの側面(縦方向)に用いられる「はぜ」の種類

ダクトの側面を接合する際によく使われる代表的な「はぜ」には、「ボタンパンチスナップはぜ」「ピッツバーグはぜ」「側面はぜ」の3種類があります。

その中でも、現在主流なのは「ボタンパンチスナップはぜ」と「ピッツバーグはぜ」。この2つについて、現場でよく比較される違いを下表にまとめました。

ボタンパンチスナップはぜ ピッツバーグはぜ(三井はぜ)
強度 普通(低〜中圧向き) 高い(高圧・排煙向き)
気密性 高い 非常に高い
施工性 容易(はめ込むだけ) 困難(叩き込みが必要)
主な用途 一般空調・換気 厨房・排煙・高圧ダクト

 

ボタンパンチスナップはぜ(ダクトはぜ)

「ボタンパンチスナップはぜ」は、空調ダクトや換気ダクトで現在もっとも一般的に普及しているタイプです。片方の端をU字に折り込み、もう片方の突起を差し込むだけで「パチン」と固定される構造になっています。

組み立てが非常に簡単で、現場での作業効率が良いのが特徴です。一方で、次に紹介する「ピッツバーグはぜ」に比べると、強い衝撃や高圧がかかった際に外れやすいという側面があります。

ピッツバーグはぜ

「ピッツバーグはぜ」は、日本で最初に三井財閥の建物に使用されたことから「三井はぜ」とも呼ばれます。

差し込んだ後に、はぜの端をさらにハンマーなどで叩いて折り込む(カシメる)構造です。接合部が非常に強固で、気密性も抜群。排煙ダクトや高圧ダクトなど、負荷がかかる場所に向いています。

ただし、製作工程が複雑で組み立てに手間と時間がかかるのがデメリットです。

側面はぜ(本はぜ)

「側面はぜ」は、「ピッツバーグはぜ」が普及する以前に主流だった方法です。互いの板をU字型に曲げて引っ掛け合う、シンプルな構造になります。

気密性は高いものの、組み立て作業が煩雑であるため、現代の一般的なダクト製作ではあまり使われなくなっています。

ダクトの平面(平継ぎ)に用いられる「はぜ」の種類

ダクトの長さを延長する場合や、平面をつなぐ際には以下の「はぜ」が使用されます。

甲はぜ 立てはぜ
特徴 両方の板をU字に曲げて噛み合わせ、平らに潰したもの 甲はぜを垂直に立たせたような形状
主な用途 円形ダクトの平継ぎや、鉄板の延長 鉄板の補強を兼ねる場合や、屋根材の接合など

 

ダクトの「はぜ」に関するよくある質問

ダクトの「はぜ」に関するよくある質問をまとめました。

「はぜ」と「フランジ」の違いは?

「はぜ」はダクト自体の筒を作るための接合部(縦の継ぎ目)を指すことが多いのに対し、「フランジ」はダクトとダクトを繋ぎ合わせる接続面(断面の枠)を指します。どちらも気密性を保つために重要です。

詳しくは、「ダクトの『はぜ』とは?気密性と強度を支える不可欠なパーツ」で解説しています。

「はぜ」から空気が漏れている場合、どうすれば良い?

経年劣化や施工不良で隙間ができた場合、ダクト専用のシール材(コーキング)やアルミテープで補修することが一般的です。ただし、厨房ダクトで油漏れがある場合は、火災リスクがあるため専門業者による点検を推奨します。 

詳しくは、記事内の「なぜダクトに『はぜ』が必要なのか?3つの重要な役割」をご確認ください。

厨房ダクトにはどの「はぜ」が最適?

油漏れや熱による変形を防ぐため、より気密性と強度が高い「ピッツバーグはぜ」が選ばれるケースが一般的です。さらに、接続部にコーキングを施して気密性を高めるのが標準的となります。

詳細は、記事内「ダクトの側面(縦方向)に用いられる『はぜ』の種類」をご覧ください。

まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください

ダクトの重要パーツである「はぜ」は普段目立たない部分ですが、ダクトの強度や気密性、そして建物の安全性を守るために、非常に奥の深い役割を担っています。

「はぜ」の種類(ボタンパンチ、ピッツバーグなど)は、ダクトの用途や設置環境によって適切に使い分ける必要があります。不適切な選定や経年劣化による隙間は、空調効率の低下だけでなく、油漏れや火災の原因にもなりかねません。

岩元空調では、ダクトの設計や施工だけでなく、工事後のメンテナンスや修理などのアフターフォローにも対応します。定期的なダクト清掃も、岩元空調にぜひお任せください。

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