コラム

ダクトのチャンバーとは?役割や種類、構造を徹底解説

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本記事では、空調ダクト設備における「チャンバー」の役割や構造、種類、さらにメンテナンスの重要性について詳しく解説します。

「チャンバーって何?」「ダクト工事で聞いたけれど、どんな役割を果たすの?」と疑問に思っている建物管理者の方や、空調設備の知識を深めたい担当者様に向けて、専門的な内容を分かりやすくまとめました。

「最近、空調の効きが悪い」「オフィスや厨房で変なにおいがする」といったお悩みを抱える店舗や工場の管理者様向けに、ダクトの汚れを放置する危険性と対策を分かりやすく解説します。

この記事で分かること
  • ダクトチャンバーの基本的な役割と仕組み
  • 主なチャンバーの種類と特徴
  • チャンバーのメンテナンスの重要性


この記事を読めば、ダクト設備におけるチャンバーの重要性を理解でき、適切な維持管理や業者選びに役立つ知識が身につきます。

ダクトチャンバーとは

ダクトチャンバーとは、空調ダクトの途中に設けられる箱状の装置を指します。一般の方には馴染みの薄い言葉ですが、快適な室内環境を維持するために欠かせない重要な役割を担っています。

主な素材は亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板で、ダクトの分岐点や合流点、空調機との接続部などに設置されます。この「箱」があることで、ダクト内を流れる空気の質や量をコントロールし、建物全体に均一で快適な空気を届けることができます。

チャンバーの役割

チャンバーには、主に以下の3つの重要な役割があります。

風量の均一化(整流)

屋外から取り込まれた空気や、空調機から送られてきた空気は、勢いや流れが一定ではありません。

チャンバーは内部の空間で一度空気を受け止め、流れの乱れを整える「整流」の役割を果たします。これにより、複数のダクトへ分岐する際に、それぞれのダクトへ均等な風量を送ることが可能です。

分岐・合流

1本の太いダクトから複数の細いダクトへ空気を分配したり、逆に複数のダクトからの空気を1本にまとめたりする際にもチャンバーが利用されます。

急な分岐や合流は騒音の発生源となりますが、チャンバーを介すことで空気の流れがスムーズになり、騒音を抑制できます。

消音

送風機が稼働する音や空気がダクト内を高速で流れる際に発生する「気流音」は、室内の騒音問題につながります。チャンバーの内部に吸音材を設置することで、これらの騒音を吸収・減衰させる効果があります。

とくに静かな環境が求められる部屋では、消音機能を持つチャンバーが不可欠です。

チャンバーの構造と仕組み

一般的なチャンバーは、「チャンバーボックス」とも呼ばれる四角い箱型をしています。空気の流れを適切に制御するため、接続されるダクトよりも一回り大きいサイズで設計されるのが特徴です。

チャンバーの内部には、吸音と断熱を目的として「グラスウール」などのマット状の断熱材が貼り付けられています。このグラスウールが送風機や気流による騒音を吸収し、静かな室内環境を実現します。同時に、空気の熱が外部に逃げたり、外気の影響を受けたりするのを防ぐのです。また、設定された温度のまま各部屋へ空気を届ける保温・保冷の役割も担っています。

大型のチャンバー(パネルチャンバー)は、搬入の問題から分割されたパネルの状態で現場に運び込まれ、現地で組み立てられることもあります。

チャンバーの種類

チャンバーは設置場所や目的に応じて、さまざまな種類が存在します。ここでは、代表的なチャンバーを紹介します。

一般的なチャンバー(チャンバーボックス)

ダクトの分岐点や合流点に設置される、最も基本的な箱型のチャンバーです。空気の流れを整え、各分岐ダクトへ均等な風量を供給する役割を持ちます。

ガラリチャンバー

建物の外壁に取り付けられる「ガラリ(格子状の吸排気口)」の屋内に設置されるチャンバーです。

外気を効率よく取り込んだり室内の空気を排出したりする際に、雨水や虫、ゴミなどがダクト内に侵入するのを防ぎながら空気の流れをスムーズにします。

空調機チャンバー

エアコンの室内機やエアハンドリングユニットといった空調機本体に、直接接続されるチャンバーです。

例えば、新鮮な外気と室内の還気(戻ってきた空気)を混合させる「ミキシングチャンバー」や、送風機(ファン)を内蔵した「ファンチャンバー」などがあります。これらは空調システムの心臓部として機能します。

消音エルボ

ダクトの曲がり角(エルボ)部分に設置される、消音機能に特化したチャンバーです。

内部に吸音材(消音バッフル)が効果的に配置されており、特に騒音が発生しやすい曲がり角での気流音や、空調機からの騒音を効率的に低減させます。静粛性が求められるホールや会議室などで使用されます。

制気口ボックス

天井や壁に設置される吹出口や吸込口(ディフューザー、グリルなど)の裏側に取り付けられる小型のチャンバーです。

各部屋に送られる最後の段階で風量を均一に整え、騒音を抑える役割があります。これにより、室内のどの場所でも快適な風量と静けさを保つことが可能です。

チャンバーも定期的なメンテナンスが重要

ダクト本体と同様に、チャンバーも定期的な清掃やメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると、以下のような問題が発生する恐れがあることに注意が必要です。

健康被害のリスク

チャンバー内部に貼られたグラスウールは、経年劣化により繊維が剥がれてしまうことがあります。

剥がれた繊維が空気の流れに乗って室内に飛散し、それを吸い込むことでアレルギーや呼吸器系の疾患といった健康被害を引き起こすリスクが指摘されています。

空質の悪化

チャンバー内部はホコリやゴミが溜まりやすく、結露によってカビが発生しやすい環境でもあります。汚れたチャンバーを通過した空気が室内に送り込まれることで、悪臭の原因になったり、カビの胞子をまき散らしたりして、室内の空気環境を著しく悪化させます。

このような事態を防ぐためにも、専門業者による定期的な点検や内部の清掃や劣化したグラスウールの交換が非常に重要です。

チャンバーに関するよくある質問

チャンバーの主な役割は?

チャンバーの主な役割は、「風量の均一化(整流)」「ダクトの分岐・合流」「消音」の3つです。これにより、建物全体に快適で静かな空気を送り届けます。

詳細は、記事内「チャンバーの役割」をご覧ください。

チャンバーがないとどうなる?

チャンバーがないと、各部屋に送られる風量にムラができたり、ダクトの分岐点などで「ゴーッ」という大きな騒音が発生したりします。また、空調機からの音が直接室内に伝わりやすくなるなど、快適性が大きく損なわれる可能性があります。

詳しくは、記事内「チャンバーの役割」で解説しています。

チャンバーの内部はどのようになっている?

チャンバーの内部には、一般的に「グラスウール」というガラス繊維でできたマット状の吸音・断熱材が貼り付けられています。これにより、騒音を吸収し、送られてくる空気の温度を一定に保つ効果があります。

詳しくは、記事内「チャンバーの構造と仕組み」で解説しています。

チャンバーのメンテナンスはなぜ必要?

内部のグラスウールが劣化して飛散すると健康被害のリスクがあるほか、ホコリやカビが溜まると空質が悪化するためです。安全でクリーンな室内環境を維持するために、定期的な点検や清掃が不可欠です。

メンテナンスの重要性については、記事内「チャンバーも定期的なメンテナンスが重要」で詳しく説明しています。

まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください

ダクトのチャンバーは、単なる「箱」ではありません。風量を均一にし、騒音を抑え、空気を清浄に保つなど、快適な室内環境を創り出すための重要な役割を担います。その性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

岩元空調では、ダクトの設計や施工だけでなく、工事後のメンテナンスや修理などのアフターフォローにも対応します。定期的なダクト清掃も、岩元空調にぜひお任せください。

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