ダクト工事コラム

ダクトに関するミニ知識~チャンバー~|各種工事を行う岩元空調

知れば知るほど面白い「ダクトに関するミニ知識」。今回ピックアップするのは、聞きなれない単語である“チャンバー”です。一般の方でチャンバーという単語を聞いたことがある方は少ないかと思います。しかし空調の世界では、空気をかき混ぜたり、均等に送り出す役割があるチャンバーを知らない人はいません。そこで今回はチャンバーについてお知らせします。

 

ダクト内の空気の流れを一定に保つ

屋外から送り込まれた空気がダクト内に入ると、空気はそのままの状態でダクト内を移動します。しかし屋外の空気の温度や風量は、常に一定ではありません。例えば強風の時には、ダクト内を空気が強風のまま移動し、各部屋に運ばれてしまうことになります。これを常に一定の温度や風量を保ってくれるのがチャンバーの役割です。

 

意外とスゴイ!? チャンバーの役割

チャンバーの素材は、亜鉛メッキやガルバリウムなどの鋼板製のものが一般的。主な役割は上述したように、ダクト内の空気の流れを安定化し、各部屋に一定の温度・風量の風を送り込むことですが、それだけではありません。それ以外にも、勢いよくダクトの中を流れてくる空気の音を抑える「消音機能」を持ったチャンバーもあります。

 

徹底解剖! チャンバーの構造

一般的なチャンバーは、五面体、六面体といったボックスの形状をしていて「チャンバーボックス」と呼ばれています。空気は急な分岐や合流地点で騒音が大きくなったり、風量の勢いが増したりする特徴があります。それを阻止するために、チャンバーボックスはダクトが分岐する部分などに設置されます。騒音や風の勢い、温度を調節するため、ダクトよりも少し大きく、チャンバー部分が膨らんで見えるようになっています。

 

チャンバーの内側はどうなっている?

チャンバーボックスの中に入った空気は、その音や勢いが緩和され、それぞれの分岐先へと流れていきます。チャンバーは亜鉛メッキやガルバリウムなどの鋼板製のものが一般的と書きましたが、内側には騒音を抑えるためにグラスウールが貼られています。このグラスウールによって、騒音だけでなく保温効果も持たせ、各部屋に一定の温度の空気を送り込むことも可能になります。

 

ちなみにチャンバーボックスは大型のものになると、その形状のまま運搬することが困難なため、パネルの状態で現地に運搬され、現地で組み立てる場合もあります。このパネル状のチャンバーを「パネルチャンバー」と呼びます。

 

定期的な清掃、交換を忘れずに

ダクトにとって定期的な清掃、交換が大切なように、チャンバーボックスにも定期的な清掃、交換が大切です。例えばチャンバーボックスの内部に貼られたガラスウールの繊維が劣化によって剥がれてしまい、それが各部屋に流れその空気を吸いこむことで、健康被害を及ぼしてしまうことも考えられます。

 

ダクトの中で重要な役割を果たすチャンバー。もしチャンバーがなければ、風量や温度の調節ができないばかりか、空気が分岐を通る際の騒音の原因にもなります。チャンバーをこまめに点検、清掃をして、心地よい空気が流れるようにしましょう! 

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