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ダクトフランジとは?役割や種類、接続方法を解説

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ダクトフランジは、ダクト同士をつなぎ合わせるために用いられる部品です。普段あまり目にすることのない部分かもしれませんが、ダクトフランジはダクト設備の機能性やメンテナンス性を左右する重要な役割を担います。

本記事では、ダクトフランジの定義から必要性、接続工法について解説します。

ダクトフランジとは

ダクトフランジとは、建物の空調や換気、排煙などの目的で設置されるダクト同士を接続するための継手部品のことです。「フランジ」と略して呼ばれることもあります。

ダクトは通常、製造工場である程度の長さで作られ、施工現場へ運搬されます。建物の規模によっては非常に長いダクトが必要となり、現場でこれらのダクトをつなぎ合わせて設置しなければなりません。このダクト同士を接続する際に使用されるのが、ダクトフランジです。

フランジは、ダクトの端に取り付けられる鍔(つば)のような形状をしており、このフランジ同士をボルトやナットで固定することで、ダクトを連結します。

ダクトフランジが必要な理由

建物内の空気を効率良く循環させるためには、ダクトの接続部分に隙間があってはなりません。もし隙間があると、そこから空気が漏れてしまい、空調効率の低下や意図しない場所へ空気の流出を招く可能性があります。

ダクト同士の接続方法として、ダクト同士を溶接して完全に一体化させることも考えられます。しかし、この方法では将来的なメンテナンスや清掃、設備の改修、解体が必要になった際にダクトを切断しなければなりません。そうなると、多大な時間とコストが発生してしまいます。

そこでダクトフランジを用いた接続方法は、確実に接続できるだけでなく、必要に応じて分解・再接続がしやすいといったメリットがあります。これによってメンテナンスや清掃、修理といった作業を効率的に行うことが可能になるため、ダクト設備においてフランジ接続は不可欠な要素となっているのです。

ダクトフランジの役割

ダクトフランジは単にダクトをつなぐだけでなく、以下のような重要な役割を果たしています。

気密性を確保する

フランジ接続部にガスケット(シール材)をはさみ込み、ボルトで締め付けることで、接続部の気密性を高め、空気漏れを防ぎます。

これにより、空調・換気システムが設計どおりの性能を発揮できるようになります。

メンテナンス・清掃を容易にする

ダクト内部は、長期間使用するうちにホコリや汚れが蓄積していきます。

フランジ接続であれば、点検口がない場合でもフランジ部分でダクトを分解し、内部の点検や清掃を容易に行うことができます。ダクト内を清潔に保ち、空気の質を維持することにつながるのです。

修理・改修を効率化できる

ダクトの一部が破損した場合や、設備のレイアウト変更に伴いダクト経路を変更する必要が生じた場合にも、フランジ部分で容易に取り外しや再接続が可能です。

また、溶接接続のようにダクトを切断・再溶接する必要がないため、工期の短縮とコスト削減に貢献します。

強度を確保できる

適切に設計・施工されたフランジ接続は、ダクト接続部に十分な強度をもたらすため、ダクト全体の安定性を高めます。

ダクトフランジの接続方法

ダクトフランジを用いた接続方法には、主に以下の2種類があります。

  • アングルフランジ工法
  • 共板フランジ工法

それぞれに特徴があり、ダクトの種類や用途、求められる強度、現場の状況などに応じて使い分けられます。

ここでは、それぞれのダクトフランジの接続方法を紹介します。

アングルフランジ工法

アングルフランジ工法は、アングル鋼(L字型鋼材)やフラットバー(平鋼)を加工して製作したフランジ部品をダクトの端部に溶接やリベットなどで固定し、そのフランジ同士を現場でボルトとナットを使って締め付け接続する工法です。

非常に高い強度と剛性が得られるため、接続部の変形が少なく、確実な接続が可能です。高い気密性を確保しやすく、耐圧性が求められるダクトに適しています。

また、排煙ダクトや高圧・低圧ダクトなど、特に強度や耐久性が要求される箇所で多く採用されているのが特徴です。

一方で、フランジ部品の製作とダクトへの取り付け(溶接など)に手間がかかってしまいます。現場でのボルト締め箇所が多くなる傾向があり、共板フランジ工法と比較して施工に時間がかかることもデメリット。材料費と工数の両面で、コストが高くなる傾向があります。

共板フランジ工法

共板フランジ工法(TDC工法)は、ダクトの端部そのものを折り曲加工してフランジ形状を形成し、そのフランジ同士を突き合わせて接続する工法です。

接続時には、フランジの間にシール材(ガスケットやコーキング)を塗布・挟み込み、コーナー部分には専用のコーナープレート(クリップ)を取り付けて四隅を補強し、ボルトとナットで締め付けます。

ダクト本体とフランジが一体となっているため、別部品としてのフランジ製作・取り付けが不要です。部品点数が少なく、現場での接続作業が比較的容易で、施工時間を短縮できるのも特徴。アングルフランジ工法に比べて、材料費・工費ともにコストを抑えることができます。

一方で、共板フランジ工法は、アングルフランジ工法ほどの高い強度を得られません。とくに大きなサイズのダクトや高い圧力がかかる箇所では、変形や強度不足の懸念があるため、適用が制限される場合があります。

まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください

ダクトフランジは、ダクト同士を確実に接続し、空気漏れを防ぐという基本的な機能に加え、メンテナンス性や施工性を大きく左右する重要な部材です。

アングルフランジ工法と共板フランジ工法にはそれぞれ特徴があり、用途や現場の状況に応じて最適な工法を選択することが、ダクト設備の性能維持と長期的なコスト効率につながります。見えない部分かもしれませんが、建物の快適な空気環境を支える縁の下の力持ち、それがダクトフランジなのです。

岩元空調では、ダクトの設計や施工だけでなく、工事後のメンテナンスや修理などのアフターフォローにも対応します。定期的なダクト清掃も、岩元空調にぜひお任せください。

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