ダクト工事コラム

石綿に注意!アスベスト含有ダクトパッキンとは|岩元空調

注意が必要な古いダクトパッキン

アスベストは有害であるとして、一時期全国的な問題となり一斉に除去、改修工事などが行われたことがありました。ダクトに関しても新しいものであれば問題ありませんが、旧来のダクトパッキンはアスベスト含有率が高く、危険なものです。通常アスベスト除去工事において「建設業労働災害防止協会」が、その種類によってレベル1~3に設定されています。アスベスト含有ダクトパッキンはこのレベルも高めに設定されているため、素人が除去することは大変危険です。建物が古く、ダクト周辺の点検を長らく行っていない場合、特に注意したほうがよいでしょう。部分的に除去するよりも、ダクト自体の劣化も考えられるので、取り換えも含めて検討してみてはいかがでしょうか。

 

そもそもアスベスト問題とは?

アスベストはその繊維状の見た目から石綿と呼ばれ、耐熱性や保温性に優れた鉱物として古くから断熱材や絶縁材に利用されてきました。しかしアスベスト含有製品の製造や建設作業に携わっていた作業者の多くが、アスベストを吸入することで塵肺、肺がん、悪性中脾腫などの健康被害を起こしました。現在では、日本はもちろん世界的にもアスベストの使用が削減もしくは禁止されてきています。日本国内では2005年、アスベスト含有製品を過去に生産していた工場の従業員や、近辺に住んでいた住民の健康被害が明らかになりました。この事態を重く見た当時の政府が、患者、死亡者に対して医療費や弔慰金などを支給する「石綿による健康被害の救済に関する法律」を2006年3月に施行したのです。

 

また、アスベスト製品が禁止となったものの、古い建物を解体する際にアスベストが飛散することがあります。環境省は、建築物の解体によって排出されるアスベスト量は2020年から2040年頃にピークを迎えると予想しており、現在においてもまだアスベスト問題は続いています。

 

ダクトにおけるアスベスト問題とは?

建築物の断熱材などに利用されることの多いアスベストですが、ダクトにおいてもアスベストが使われている部品があります。それがダクトパッキンです。ダクトパッキンとは、ダクトの接続部分であるフランジの接合面に挿入されるゴムまたはテープのことです。ボルトやナットで固定するだけでは隙間から空気が漏れる可能性があるため、隙間埋めとしてパッキンを使用します。

 

このアスベスト含有のパッキンを取り外すには、国や都道府県の環境局が発行しているアスベスト飛散防止対策マニュアルなどを確認していただくことをおすすめします。実際にアスベスト含有パッキンを除去する際は、ダクトの設置場所や工期などにもよりますが、養生をしたうえで壁や天井の解体、飛散防止設備設置の後、ダクトパッキンの撤去、ダクト清掃、ダクト内検査、ダクト復旧・漏れチェック、アスベスト測定という流れで行います。

 

不安な場合は必ず専門業者に依頼を

アスベストはその量にもよりますが、何も準備をせずに解体、除去などを行うことは非常に危険です。特に設置時期が古いダクトを解体する際は十分な注意が必要です。

 

もし自宅や自分が管理しているビル、マンションでダクト周りの点検を長期間に渡って怠っているという場合は、必ず専門業者に点検を依頼し、交換、もしくは撤去するようにしてください。

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