ダクト工事コラム

ダクトテープがダクトの修理に向かないってホント!?|岩元空調

ダクトテープはダクト修理用のテープではない?

ガムテープやクラフトテープよりも強度のあるダクトテープ。その呼び名から、ダクトの破損などに対処するためのものと思うかもしれません。ダクトテープは第二次世界大戦中に軍需製品として登場し、戦後は民間でダクト工事などの貼り合わせに使用されていました。しかし実はダクトテープと名前がついているものの、ダクトの修理に必ずしも適しているとは言えないことはご存知でしょうか。そこで今回はダクトテープの歴史からその用途までを詳しくご紹介します。

そもそもダクトテープとは?

ダクトテープを知るには、ダクトテープが生まれた経緯を知る必要があります。

ダクトテープと呼ばれる粘着テープの元は、1923年につくられたマスキングテープです。自動車塗装の際、塗装のはみだしを防ぐために3Mの従業員であったリチャード・ドリュー氏が開発しました。その後、1940年代、第二次世界大戦中に、ジョンソン&ジョンソンのパーマセル・テープ部門が、銃弾を入れる箱を湿気から守るためのテープを開発。これがダック・ロスという素材が使われていたこと、そして水をはねのけるアヒル(ダック)の羽のように耐水性があることから、ダックテープと呼ばれました。これが現在のダクトテープの原型といわれています。

ダックテープは非常に便利で、テントやジープをはじめあらゆる軍事品の応急処置として使われるようになりました。そして戦後になり、エアコンの水漏れやダクト工事の貼り合わせなどにも使われるようになったことから、いつしかダックテープからダクトテープと呼ばれるようになりました。

ダクトテープが火災の原因になることも

ダクトをはじめとしてさまざまな製品の補修として使われるダクトテープ。しかし冒頭でも触れたように、実は必ずしもダクトの修理に適したテープではありません。その理由は寒暖差にあります。

1998年、ローレンス・バークレー国立研究所が行った、テープの剥離に関する実験結果によると、ほかのテープでは問題が生じなかった温度差でのリーク率が、ダクトテープでは高く、場合によっては剥離してしまう危険があるとしています。

実際、2007年7月に洋上採油プラットフォームで起こった火災の要因として、破けたホースの補修をダクトテープで行い、その部分が剥離していたことが挙げられています。ダクトテープがどんなに湿気に強いといっても、洋上という朝と夜での温度差が激しい場所での使用は非常に危険だということがわかります。

ダクトの補修は必ず専門家に依頼を

洋上ほどではないにしても、日本は季節による寒暖差が大きいことから、ダクトの補修もダクトテープではなく、一般的にはアルミテープが使われます。一般の方が安易に多少のダクト破損ならダクトテープで大丈夫と思い込み、修復を試みることはせず、必ず専門業者に相談するようにしてください。

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