ダクト工事コラム

ダクトの風量・風速測定はなぜ必要?風量の計算式や測定方法も解説

ダクトの風速計

ダクトの風量・風速は、ダクトが接続されている空調・換気設備などに異常がないか確認できる指標のひとつです。ダクトの風量・風速が適正でない場合、空調・換気設備などに異常が生じている可能性があります。

 

本記事では、ダクトの風量・風速の測定の必要性や適正な風量・風速、測定方法などについて解説します。

 

ダクトの風量・風速測定の必要性

風量・風速が一定か、もしくは風量・風速の強弱などを確認することで、ダクト内に異変がないかどうか確認できます。

 

ダクト内に適正な量・速度の風が流れないと、「冷暖房が効かない」「換気ができない」といった事態が起こり得るでしょう。

また、ダクト内に脂分やホコリが溜まったまま、風がうまく流れないと、ダクトに接続された設備の故障や火災が発生する恐れもあります。

 

室内環境を快適なものにするためには、ダクトに異常がありそうなときだけでなく、定期的に風量・風速を測定することが非常に重要だと言えるのです。

 

ダクトの風量の計算式

ダクトにおける適正な風速は、5~7メートル/秒と言われています。

 

ダクトにおける風量は、JISで規格されている以下の計算式によって求められます。

 

風量(Q)=平均風速(メートル/秒)×断面積(平方メートル)×単位時間(t)

 

※風量(Q):単位時間(t)あたりに管内を移動する空気体積

※t=60秒の場合、風量(Q)の単位は「立法メートル/分」

 

なお、JIS A 1431「空気調和・換気設備の風量測定方法」において、風量測定方法が規格されていましたが、平成25年に廃止されました。現在は、JIS B 8330「送風機の試験及び検査方法」において、風量測定に関して規格されています。

 

参考:日本工業規格 JIS A1431-1994

   日本工業規格 JIS B 8330 : 2000

 

ダクトの風量・風速測定方法

風量・風速の測定は、それほど大規模なものでなければ個人で行うことも可能です。

しっかり風が流れているかを確認するのであれば、吸気口や排気口にティッシュペーパーなどの薄い紙を当てることで、風の強さや流れる方向、吸気が行われているかが分かります。

 

風量・風速を数値として確実に測定する場合は、風量測定器を使うことによって測定が可能です。ここでは、吸込口と吹出口のそれぞれの風量測定方法を解説します。

 

吸込口

吸込口の内寸法と同じ断面のダクトを、吸込口に接続します。このとき接続するダクトの長さは、丸ダクトの直径または角ダクトの長辺の2倍となるものです。

 

風速は、ダクトの入口部分の中央1点で測定します(測定点はJIS B 8330にて規格)。測定した風速から、先ほど説明した計算式に当てはめ、風量を計算します。

 

吹出口

まず吹出口に、フードと直管ダクト、風量可変送風機を連結させた装置を取り付けます。

吹出口から送風させ、風量可変送風機を用いて、フード内と室内の静圧(ダクトにかかる力)が均等になるように調整します。

 

ダクトの直管部分で風速を測り(測定点はJIS B 8330にて規格)、先ほど説明した計算式に風速を当てはめて風量を算出します。

 

ダクトの風量測定で使用する風速計

風量・風速を数値として確実に測定したい場合は、風量測定器を使うことによって測定が可能です。

ただし、風量測定器は安価ではないため、頻繁に測定する必要がないならレンタルをおすすめします。

 

ここでは、以下の2種類の風速計を紹介します。

 

  • 熱線式風速計
  • ベーン(風車)式風速計

 

熱線式風速計

熱線式風速計に付いているセンサーが風を受け、センサーの温度が下がった分を風速値に換算する風速計です。

 

温度変化が小さい場所での測定に向いており、センサーにはプラチナ線が用いられているので、強度があり精度が長期間維持されるのが特徴です。センサーのサイズも小さいので、狭い場所でも測定しやすくなっています。

 

ベーン式風速計

ベーンとは風車を意味しており、簡単に言うと風車が付いた風速計です。ベーンが受けた風で、どれくらいベーンが回転したかを風速値へ換算して計測します。

 

ベーン式風速計は、熱戦式風速計と比べると、温度変化による影響を受けづらいのが特徴です。

 

ダクトの風量測定のポイント

ダクトの風量を安全に測定するためには、以下のポイントがあります。

 

  • 測定口を設置する
  • 本格的な測定が必要な場合は専門業者に相談する

 

測定口を設置する

ダクトに測定口がない場合は、空調機の中に入り込まなければ測定できないこともあります。設置位置などによって空調機の中に人が入れない場合、防火ダンパーの点検口から測定器のセンサーを挿入して、測定しなければなりません。

 

このような測定を個人で行うことは簡単ではないため、安全で簡単に測定できるように測定口を設置すると良いでしょう。測定口の設置は、業者に依頼することで対応してくれます。

 

本格的な測定が必要な場合は専門業者に相談する

簡易的な風量・風速測定は個人でも十分に可能ですが、正確に測定しなければならない場合や、測定する箇所が大量にある場合は、専門業者へ依頼することをおすすめします。

 

また、異変がある場合や定期的なメンテナンスが必要な場合でも、自分で調べて対応するよりも、専門業者に依頼したほうが万が一の際に安心です。

 

まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください

今回は、ダクトの風量・風速測定の必要性や測定方法、風速計の種類などについて解説しました。

快適な室内環境を維持していくためには、定期的なメンテナンスの一環として、ダクトの風量測定を行うことが重要です。

 

岩元空調では、ダクトの設計から修理までワンストップで行います。設置場所の形状や用途に合わせて、最適な工事を提案します。

「室内の空気がこもる感じがする」「エアコンの効きにムラがある」など、ダクトが関連するトラブルでお悩みの方は、岩元空調へ一度ご相談ください。

 

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