ダクト工事コラム

Fフォースター(F☆☆☆☆)とは?旧基準との違いとダクト資材との関係は?

改正建築基準法によって導入されたFフォースター

JIS・JASや認定を行う団体が行う等級表示であるF☆☆☆☆(フォースター)。ホルムアルデヒドによって引き起こされるシックハウス対策の基準として、現在では建築材料にラベル表示されるようになっています。ダクト資材の中にもダクトシールやグラスウールなどホルムアルデヒドを発散するものがありますが、今回はこのFフォースターの星マークの種類や旧基準、違いや背景などについて詳しくご紹介します。

シックハウス症候群を引き起こすホルムアルデヒドとは?

シックハウス症候群とは、主に新築やリフォームを行った際に起こる症状です。新築やリフォームで使われる化学物質が含まれる、もしくは添加された建築材料から、揮発した化学物質によって建物内の空気が汚染され、人体に悪影響を及ぼします。

人体に悪影響を及ぼす化学物質の中でも危険とされているのが、接着剤や塗料、防腐剤などに広く使われているホルムアルデヒドです。このホルムアルデヒドは毒物および劇物取締法により医薬用外劇物に指定されている有害な物質です。長く吸い続けて続けていると、結膜炎、咽頭炎など引き起こす可能性があるといわれています。

ホルムアルデヒド放散量を表したFフォースター

Fスターは、シックハウス対策強化のため、平成15年3月20日に施行された建築基準法によって、ホルムアルデヒド放散基準値を示すものとして設けられたものです。この基準によって建材の使用面積制限が変わってきます。具体的には以下のようにホルムアルデヒドの発散速度によって4つに分類されています。

▼Fフォースター・F☆☆☆☆(星4つマーク)

放散速度の基準:0.005mg/㎡h以下
使用制限面積:面積制限なし

▼Fスリースター・F☆☆☆(星3つマーク)

放散速度の基準:0.12mg/㎡h以下0.02mg/㎡h超
使用制限面積:床面積の約0.3倍以内

▼Fワンスター・F☆(星1つマーク)または表記なし

放散速度の基準:0.12mg/㎡h超
使用制限面積:使用不可

旧基準との相違点

ホルムアルデヒド放散基準値は法改正以前から存在しています。しかし以前は面積の制限がないFフォースターに相当する基準はありませんでした。また基準となる測定方法が以前はホルムアルデヒドの気中濃度だったのに対し、放散速度に変わっています。放散速度とは、時間当たりどの程度の量に揮発物質が放散されかの速度を表すものです。これは法改正の際に24時間換気システム導入の義務化により、換気設備と換気回数に関連つけられたことによります。

ほかにも以前の法律では、ホルムアルデヒド発散の等級は合板などの工業化木質材料のみでしたが、この改正により、ダクトにも使われるダクトシールやグラスウールも規制対象となりました。そのため法改正以降のものはいずれもFスターが取得できています。しかしもし旧基準のマーク(星がないもの)やFワンスターのものを使っている場合は、必ず新しいものと交換することをおすすめします。

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