厨房ダクトの清掃は必須!放置リスクとメンテナンス時のチェックポイント
お役立ち情報 ポイント メンテナンス 厨房ダクト
飲食店の厨房は、おいしい料理を生み出す心臓部です。しかし、日々の調理で発生する油煙や熱気を排出する厨房ダクトのメンテナンスを怠ると、深刻な事態を引き起こしかねません。
厨房ダクトの汚れは、悪臭や害虫の発生だけでなく、火災や一酸化炭素中毒といった命に関わる重大なリスクにもつながります。
本記事では、厨房ダクトの清掃とメンテナンスがいかに重要であるか、そして放置することでどのようなデメリットが生じるのかを詳しく解説します。
飲食店におけるダクトの重要性については、以下の記事もあわせてご覧ください。
飲食店では換気のためにダクトが重要!抱えやすいダクトの悩みやリスクなどを解説
目次
厨房ダクトの清掃・メンテナンスの重要性
厨房ダクトの清掃とメンテナンスは、飲食店を運営する上でお客様と従業員の安全、そして店舗経営の安定に直結する非常に重要な業務です。
なぜこれほどまでに重要視されるのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
火災リスクの低減
厨房ダクトの内部には、調理中に発生する油やほこりが少しずつ蓄積していきます。とくに油は引火しやすく、調理中の火がダクト内の油汚れに燃え移ることで、ダクト火災を引き起こす危険性があります。
ダクト火災は発見が遅れやすく、一度発生すると消火も困難で、建物全体に延焼する大惨事になりかねません。定期的な清掃によって油汚れを除去することは、火災リスクを大幅に低減させるために不可欠なのです。
衛生的な厨房環境の維持
ダクト内に溜まった油汚れやホコリは、悪臭の原因となるだけでなく、ゴキブリやハエなどの害虫の温床にもなります。不衛生な環境は食中毒のリスクを高め、お店の評判を著しく損なう恐れも。
また、排気効率が悪化すると厨房内に煙や熱気がこもり、調理スタッフの作業環境が悪化しかねません。これにより、集中力の低下や健康被害を引き起こすことも考えられます。
適切な清掃とメンテナンスは、衛生的で快適な作業空間を確保し、従業員のモチベーション維持にもつながるのです。
排気設備の性能維持
油汚れやほこりがダクトや排気ファンに付着すると、排気効率が著しく低下します。
モーターに過度な負荷がかかり続けると故障の原因となり、最悪の場合は高額な修理費用や交換費用が発生することも。ダクトの定期的な清掃は、排気設備が本来持つ性能の維持にも貢献します。
厨房ダクトが汚れていることで起こるデメリット
厨房ダクトの清掃やメンテナンスを怠ると、具体的にどのようなデメリットが生じるのでしょうか。
見過ごされがちな小さな問題から、経営を揺るがしかねない大きな問題まで、多岐にわたるリスクが存在します。
火災リスクの増大
最も深刻なデメリットは、火災リスクです。ダクト内に蓄積した油分は非常に燃えやすく、調理中の火が引火すれば瞬く間にダクト全体、さらには建物へと燃え広がる恐れがあります。
悪臭の発生と拡散
ダクト内に溜まった油やほこりが腐敗すれば、不快なにおいが発生します。このにおいが厨房内だけでなく客席や店舗周辺にまで広がると、お客様に不快感を与え集客に悪影響を及ぼします。
害虫・ネズミの発生
油汚れや食材カスは、ゴキブリやネズミなどの害虫・害獣にとって格好の餌場・住処となります。これらの発生は衛生管理上の大きな問題であり、食中毒の原因にもなり得ます。
排気能力の低下・厨房環境の悪化
ダクト内部の汚れは空気の流れを阻害し、排気能力を著しく低下させます。その結果、厨房内に煙や油煙、熱気が充満し、作業環境が悪化。従業員の健康被害や作業効率の低下を招くのです。
また、換気不良の状態が続くとガス機器の不完全燃焼が起こりやすくなり、有毒な一酸化炭素(CO)が発生する危険性が高まります。CO中毒は命に関わる重大な事故につながる恐れも。
さらに、油汚れやほこりが排気ファンに付着したままモーターを稼働すると、ダクトや排気ファンに過剰な負荷がかかり、最終的には故障の原因となります。修理や交換には高額な費用がかかる上、営業に支障をきたすこともあります。
近隣トラブルの発生
排気口から排出される油煙や悪臭が、近隣の住民や店舗に迷惑をかけ、クレームやトラブルに発展するケースも少なくありません。
厨房ダクトの清掃・メンテナンス時のチェックポイント
厨房ダクトの清掃やメンテナンスの必要性を理解した上で、日常的にどのような点に注意してチェックすれば良いのでしょうか。
専門業者による定期的な清掃とは別に、店舗スタッフでも確認できるポイントを3つ紹介します。
煙や熱がしっかり排気されているか
厨房内の空気の流れや温度は、排気ダクトが正常に機能しているかどうかの重要な指標です。
▼チェック方法
- 調理中、煙や湯気がスムーズに排気フードに吸い込まれ、外部に排出されているか目視で確認
- 厨房内に煙がこもったり、以前よりも熱気が溜まりやすくなっていないか確認
- 排気ファンが正常に作動しているか、異音や異常な振動がないかを確認
▼異常のサイン
- 煙が厨房内に逆流したり、滞留したりする
- 厨房内の温度が以前より明らかに高い、または湿度が高い
- 調理スタッフが目や喉の刺激を感じる
- 排気ファンから異音がする、または回転が不安定
これらのサインが見られる場合は、ダクト内部の詰まりやファンの不具合が考えられます。
グリスフィルターに油汚れが溜まっていないか
グリスフィルターは、排気ダクトの入り口で油分を捕集する重要な役割を担っています。ここの汚れは、ダクト全体の汚れや火災リスクに直結します。
▼チェック方法
- 排気フードに設置されているグリスフィルターを取り外し、油汚れの付着具合を目視で確認
- フィルターの目が油で詰まっていないか、光にかざして透かして確認
▼異常のサイン
- フィルター全体が茶色や黒っぽい油で覆われている
- フィルターの目が詰まり、向こう側が見えにくい
- フィルターから油が垂れている
- フィルター周辺のフードや壁にも油が付着している
グリスフィルターの油汚れがひどい場合は、専門業者による洗浄や交換も検討しましょう。
排気出口の外壁や屋根から油が染み出ていないか
厨房ダクトの排気は、建物の外壁や屋根に設けられた排気口(外輪口)から行われます。この排気口周辺の状態も、ダクト内部の汚れ具合を示す重要な手がかりとなります。
▼チェック方法
- 店舗の外部に出て、排気口の周辺の壁や屋根、地面などを確認
- 油だれや黒ずんだ油汚れが付着していないかを目視で点検
▼異常のサイン
- 排気口の周りの外壁や屋根に、油が垂れたような跡やシミがある
- 排気口から液状の油が滴り落ちている
- 排気口周辺に煤(すす)が付着している
排気口から油が染み出している場合、ダクト内部には相当量の油が蓄積しており、火災のリスクが非常に高い状態であると考えられます。このような場合には、速やかに専門業者に点検と清掃を依頼しましょう。
まとめ|ダクト工事なら岩元空調へお任せください
厨房ダクトは、飲食店の安全と衛生を支える生命線とも言える設備です。定期的な清掃と点検を怠ることは、火災や一酸化炭素中毒、悪臭、害虫発生といった様々なリスクを高め、お客様や従業員の安全を脅かすだけでなく、店舗経営にも深刻な影響を与えかねません。
日々のチェックと合わせて、専門業者による定期的な徹底した清掃・メンテナンスを実施することで、これらのリスクを大幅に軽減し、常にクリーンで安全な厨房環境を維持できます。
岩元空調では、ダクトの設計や施工だけでなく、工事後のメンテナンスや修理などのアフターフォローにも対応します。定期的なダクト清掃も、岩元空調にぜひお任せください。