ダクトとは

ダクトの基礎知識

東京を中心に関東近県で空調ダクトや厨房ダクト、換気ダクトの工事を行う「岩元空調」。ダクト工事を行うときに知っていると便利な基礎知識を紹介します。

ダクトの役割

実際に目にすることは少ないかもしれませんが、天井裏や壁面内部、屋上などに設置され、室内環境を快適に整える空調設備、配管・導管設備がダクトです。身近なところでいえば、トイレやキッチンなどの排気システムなども空調設備の一部といえます。最近ではコンクリート打ち放しの室内で、ダクトが剥き出しになった空間なども増えています。

ビルや住居など、建築物のほとんどにダクトが備わっており、室内の温度や湿度の調整、空気の換気などによって快適な空間づくりを担っています。また、火災時に煙を外へ送る排煙用ダクト、食品工場や精密工場などで使用される産業用ダクトなど、特定分野で力を発揮する特殊なダクトも少なくありません。

ダクトの工法

アングルフランジ工法

明治時代にダクトが日本に伝わり、1985年ごろまで主流であったダクト工法。製作にも設置にも手間がかかりますが、強度や気密性などに優れています。排煙ダクトや原子力ダクトなど、高い性能や安全性を求められる際によく使用されます。

共板フランジ工法

アメリカ・ヨーロッパなどでシェア9割を超える実績ある工法で、現在、最も広く使われています。安価に製作でき、軽く組み立てもしやすく、効率よく施工できるメリットも。ただし強度や気密性は、他工法に比べ若干劣ります。

スライドオンフランジ工法

アングルフランジ工法と共板フランジ工法の、ふたつの工法のメリットをいかしたようなスペックをもっています。製作には溶接が必要となりますが、軽量化を図ることもでき、現場での施工性も高く強度もあります。

ダクトの材質

ダクト材質 特徴 主な使用用途
亜鉛鉄板 亜鉛でメッキ加工された鋼鈑で、従来から多く使われ、最も一般的。 一般空調ダクト・換気ダクト
鋼板 高温空気やガスなどの薄板の亜鉛鉄板で製作できない溶接ダクト。 防火ダクト
ステンレス鋼板 腐食しやすい場所に多く使用され、塗装せずに光沢感が生かせるなどの意匠性も高い。 塩害対策・腐食空気排気
(浴室・シャワー室・プール・厨房などのダクト)
ガルバリウム鋼板 メッキ金属として主にアルミニウムを使用し、高い防食性をもっている。 屋外ダクト・耐熱ダクト・腐食空気排気
塩ビライニング 亜鉛鉄鈑やステンレス鋼鈑に塩ビフィルムを積層したもの。耐酸性や耐アルカリ性、耐薬品性、耐塩性に優れている。 塩害対策・腐食空気排気
(製薬会社・半導体関連企業・プールなどのダクト)
グラスウールボード 断熱性と吸音性に優れている。 低圧空調ダクト
(ホール・スタジオなど)
塩化ビニール板 耐食性に優れているため、腐食性ガスなどが発生する環境下で使われる。 塩害対策・腐食空気排気
(工場・研究所など)
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